リズ・スローン
リズ・スローン
2024年4月12日〜4月21日
Exhibition
展示風景
シグニチャー・ギンザ 2024
ときどき、絶え間ない進歩が、私らしい自分を消し去ってしまうのではないかと感じることがあります。そして、私は孤独ではないとわかっています。テクノロジーによって生活が激変するとき、ある時点で踵を返して自分の立ち位置を確認する必要があります。私はいつも日本の美意識を大切にしてきました。シンプルな表現や、ほんの少しのことから多くを語れること、調和と緊張のせめぎ合いによって生命力を生み出すことに憧れます。銀座一穂堂での個展「Signature Ginza 2024」は、こうした思いから生まれました。
このシリーズでは、青や真紅のインクのラインという形で、個を断ち切るユニバーサルを表現する、色彩のない黒と白の楕円で構成された紙上の作品を制作しました。
なぜ “署名/サイン”なのか?
人やものを際立たせる特徴的なパターン、もの、特性を捉えたいからです。このシリーズの中で、描かれた一筆から織り成される個性は、7歳で油絵を描き始めて以来、常に私の作品の中にあります。私は流れるように綺麗に描かれた線の表現が好きです。
また、この特徴的なストロークは、左から右へと、実際のサインと同じように慎重に表現しています。これは、単にアイデンティティの大切さを守るだけでなく、私のアイデンティティそのものを守るための、繊細で独特な方法なのです。
指紋、虹彩、DNAという3つの生まれ持ったアイデンティティに加えて、サインだけは後天的に得るものです。 悲しいことに、テクノロジーの普遍的な進歩により、この個性的な人間の識別はますます使われなくなっています。
Signature Ginza 2024は、私たちの歴史と伝統、そして個人のSignatureの重要性を尊重するための行動への呼びかけなのです。
リズ・スローン
ニューヨークから銀座へ
2020年3月 ニューヨークに コロナが始まり出した頃、Lizの個展の案内をメールで知った。世界中がウイルスに恐れ始めた頃の Lizのコラージュは藍色と白が潔く、清涼剤のように感じた。それは 日本的な墨の一筆書きのようにも見え、すぐに NYの娘に連絡 Lizの個展に行ってくれ 3点の作品を買うことにした。
時代のせいだろうか 世界中には 騒がしいアーティストが溢れている。
Lizの作品の色と形と空間は心惹かれ すぐにこの潔い作品を銀座一穂堂でやってみたかった。
1年前、リズがご主人と銀座にやって来た。作品そのものの人だった。決まった。
タイトルは Signature [署名/サイン] Ginza。
彼女は 日本の美に憧れていた。シンプルで緊張感のある線、そう Sigunature 筆で書いた名前のような…そんな作品が NYからやって来た。
一穂堂 青野 惠子
Liz Slone
リズ・スローン
ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグでブルース・ドーフマン氏の指導を受け、40年にわたり絵を描き続けている。コルゲート大学でファインアートを専攻した後、ジュエリーデザインのビジネスを成功させた。2015年にフルタイムで絵画制作に戻ることを決意。夫と2人の子どもとともにニューヨークとサウサンプトンで暮らす。
個展
2020|George Billis Gallery(ニューヨーク)
2016|Scope, Miami Beach(マイアミ・ビーチ)
2016|Quogue Gallery(クオーグ)
2015|Mark Humphrey Gallery(サウサンプトン)
グループ展
2018|Market Art & Design(ブリッジハンプトン)
2018|George Billis Gallery(ニューヨーク、ロサンゼルス)
2018|The East End Group Collective 4(サウサンプトン)
2017|Printing House Mews(ニューヨーク)
2017|Artist in Residence(サウサンプトン)
2016|Market Art & Design(ブリッジハンプトン)
2016|Sea Women, Samuel Owen Gallery (ナンタケット)
2015|First Street Gallery(ニューヨーク)