「捨てし身をいかにと問はばひさかたの雨ふらば降れ風ふかば吹け」良寛
決して世捨て人になった訳でも、出家した訳でもありませんが、この年になってボクが思う心境はまさにこの歌のごとく、雨が降るならそれもよし、風が吹くならそれもよし。 流れに逆らわず、すべてを受け入れ、ただひたすらに、ということ。
ボクの創作の源は「言葉」の世界。
目を通して、耳を通して心の中に積み重ねられた言葉たちが、その陰影となって、 いつしか形作られていくのです。
「風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり」西行。
散りゆく花びらの行方を追うことはしません。
ただその儚き姿がボクの心となり、身となっていると信じて。
浅井竜介