伊藤慶二・松崎融 二人展「陶 ON THE 漆」
2020年10月9日〜10月18日
十数年前、インテリアデザイナーの内田繁さんが企画したグループ展で出会った二人。
2020年、銀座一穂堂にてコラボレーションです。
展示会風景
異なった素材とのコラボ、松崎さんの素朴で大胆な漆に
僕の造形がどう反応するかが楽しみです。
尚 ドローイングは「塔」の種々の有り方を表現する。
伊藤 慶二
十年以上前になるだろうか。インテリアデザイナーの内田繁さんの展覧会に参加したのが、伊藤さんとの初めての出会いだった。
その時見たオブジェや器の存在があまりに自然で、空間に溶け込むような不思議な力を感じた。
彼の陶は私の造る木の物達と真逆のようで、実は二人の作品は一緒にいると居心地よい。
今回、伊藤さんとの二人展を企画した一穂堂に感謝したい。
松崎 融
伊藤慶二の作品は静かである。彼の生き方同様に 重く深くそして美しい。
伊藤は今回、漆の松崎融との二人展に塔を描き、五輪の塔よりずっとシンプルな黒陶の塔を作った。
ヒロシマシリーズ、仏足石、面、祈り と一連の彼のオブジェは人間の罪へのオマージュを感じる。
孤高の伊藤が 情ある松崎と二人展をすることになったのは、彼の中にそろそろ罪深い人間を許し始めたのかもしれない、と そんな気がする。
一方 松崎融の器は、根来のようで 李朝のようで、古いお蔵の片隅にあったような懐かしさと温かさを感じさせる。
かつて、インテリアデザイナー 故・内田繁氏は松崎融の漆を「縄文の赤。太陽の赤」と絶賛。
後年、最も好きなアーティストとして、国内外の様々な発表の場に連れ出した。
その一つ、2008年、Ippodo New Yorkオープンの折、「内田繁と仲間達展」で二人は初顔合わせ、その出逢いがこの企画に繋がった。もう12年になる。
今回、銀座一穂堂では、「陶 on the 漆」として伊藤慶二・松崎融 二人展を開催。
天国から内田繁氏が見ているようで、嬉しくなってきた。
青野恵子
Keiji Ito
伊藤慶二
略歴
1935年生まれ。武蔵野美術学校卒業。
1978年 世界クラフト会議 日本クラフトコンペ受賞
1979年 ’79日本クラフト展 受賞
1981年 第39回ファエンツィア国際陶芸展 受賞(イタリア)
1983年 ブラウンスティン・ギャラリー(サンフランシスコ、アメリカ)
1995年 ヘッチェンス美術館(デュッセルドルフ、ドイツ)
ボーウィング・ギャラリー(ハノーバ、ドイツ)
ローザンヌ装飾美術館(スイス)
2000年 国際陶芸アカデミー(IAC)展(ハノーバ、ドイツ)
「うつわをみる」東京国立近代美術館工芸(東京)
2002年 アートサイツ・ギャラリー(グリーンポート、アメリカ)
2008年 「茶の湯」Ippdo Gallery NY(ニューヨーク、アメリカ)
Collection
ファエンツィア国際陶芸展(1981年、イタリア)、エバーソン美術館(1981年、ニューヨーク、アメリカ)、岐阜県立美術館(1988年)、アリアナ美術館(2000年、ジュネーブ、スイス) 、東京国立近代美術館(2000年)
Tohru Matsuzaki
松崎融
略歴
1944年 東京梅が丘に生れる
1967年 玉川大学文学部卒業
1974年 陶芸家・島岡達三の指導を受ける
1982年 国画会初入選
1983年 国画会新人賞受賞 西武百貨店池袋本店にて初個展
1984年 国画会・会友となる 名古屋名鉄百貨店にて個展
1987年 国画会・会友優作賞受賞
1988年 国画会・会員に推挙される 栃木県茂木町に仕事場を移す
1992年 阪急百貨店梅田店にて個展 以後毎年開催 有楽町阪急百貨店にて兄弟展
1995年 「コンテンポラリージャパニーズクラフト&ジュエリー展」出品 (ロサンゼルス)
2001年 東京「ダニエル・オスト花の祭典」にて ダニエル・オストの花器を担当
2002年 「ミラノ・サローネ2002」内田繁展参加 (イタリア)
2003年 ニューヨーク・メトロポリタン美術館「Oribe展」に出展
2008年 CHANO-YU Shigeru Uchida & 7artists (一穂堂ニューヨーク)
2009年 一穂堂ニューヨークにて個展(以降2012年、2016年)
その他毎年各地にて個展および兄弟展を開催。