一穂堂コメント
新緑の雨の中、奈良・桜井 辻村塊さんの山を訪ねた。
一穂堂で彼の個展を始めて今年で 22 年になる。
この山に来る度に 塊さんの成長を見て来た。
樹々の間 なだらかな谷に
彼の焼いた壺や花器が きれいにいっぱい並べてある。
この静かな山里で 一人黙々と作業する塊さんの姿が想像できる。
今回は黒い焼〆の丸壷や茶碗を作っていた。
それが何とも美しい。それが何とも重厚で気高い。
タイトルを「黒と白の群陶」とし 粉引の白と対比する事にした。
今頃 塊さんは私が選んだ作品を きれいに削ったり磨いたり
している事でしょう。
一穂堂 青野 惠子