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松崎融

松崎融 縄文の赤・根来の朱

2023年10月6日〜10月15日

松崎融作品はたっぷりと漆をのせており、
じゃぶじゃぶと洗えるほど丈夫で使いやすいです。
実用性に優れながらも、作品としても大変美しく、
荒々しくも品格のある形は松崎融氏ならではの仕事です。
ぜひご覧ください。

Exhibition

展示風景

創作50年記念に……。

令和5年の秋はラグビーワールドカップで始まる。
世界中の人々が歓喜で溢れるスポーツ。
銀座一穂堂には松﨑融のパワフルな木工が集まる。

松﨑は岐阜の桜井銘木店の最上級の木材を鑿、木槌、鉋で刳り貫き、 那珂川の辺りの上質な漆をたっぷり塗り重ねる。
荒々しく粗野な造形は縄文時代に遡るようにも思え、 また 若き日 木工への道を決めた根来塗り 李朝を意識した形は松﨑の魅力。

師を持たず 自ら信じる木工の美を求め続けた松﨑融の50周年記念の展覧会のテーマは 「縄文の赤、根来の朱」。
インテリアデザイナーの内田繁は「松﨑の赤は縄文の赤である、縄文の赤は太陽の赤である」と称した。
私は初めて彼の朱漆を見たとき、根来のようで 李朝のようで 古いお蔵の片隅にあったような 懐かしさを感じた。

この暑い夏 松﨑は茂木の作業場で作り続けた。
野球少年だった彼はメジャーリーグで活躍する大谷にパワーをもらったのだろう。
私は松﨑融の仕事に勇気をもらった。

松崎融

Tohru Matsuzaki

松崎融

略歴
1944年 東京梅が丘に生れる
1967年 玉川大学文学部卒業
1974年 陶芸家・島岡達三の指導を受ける
1982年 国画会初入選
1983年 国画会新人賞受賞 西武百貨店池袋本店にて初個展 
1984年 国画会・会友となる 名古屋名鉄百貨店にて個展 
1987年 国画会・会友優作賞受賞
1988年 国画会・会員に推挙される 栃木県茂木町に仕事場を移す
1992年 阪急百貨店梅田店にて個展 以後毎年開催 有楽町阪急百貨店にて兄弟展
1995年 「コンテンポラリージャパニーズクラフト&ジュエリー展」出品 (ロサンゼルス)
2001年 東京「ダニエル・オスト花の祭典」にて ダニエル・オストの花器を担当
2002年 「ミラノ・サローネ2002」内田繁展参加 (イタリア)
2003年 ニューヨーク・メトロポリタン美術館「Oribe展」に出展
2008年 CHANO-YU Shigeru Uchida & 7artists (一穂堂ニューヨーク)
2009年 一穂堂ニューヨークにて個展(以降2012年、2016年)

その他毎年各地にて個展および兄弟展を開催。

Collection
フィラデルフィア美術館(アメリカ)
ミシガン大学美術館(アメリカ)
デトロイト美術館(アメリカ)
シュレスビッヒ郷土美術館 (ドイツ)
栗の木美術館 (長野)

松崎融について見る