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川岸 富士男
川岸富士男の世界 古い植物図鑑のような…
2023年8月3日〜8月20日
Exhibition
展示風景
私にとって描くことは、事実を土台とし、 その事実の記憶を繰り返し繰り返し、何度でも繰り返すことであり、 この平凡な繰り返しが日常となり大切な学びに変るまで繰り返すのである。 誰もが素通りするような平凡極まりない日常の一景が簡素の美に つながることを希ってこれからも筆を持ち、線を引く。 これが私にとっての喜びであり、描く原点でもある。 川岸 富士男
川岸富士男の絵を知ったのは1989年、文化出版局の季刊「銀花」78号で特集された時。 彼の植物は細い線で生き生きと美しかった。 また、古い植物図鑑を見ているような……そう、牧野富太郎の図鑑のように感じた。 川岸富士男は自分ではわかっていないが 不思議な能力を持っていて、彼が見たモノはその真髄だけが 絵筆から線となり、線の周りに美が宿る。 サラリーマンを辞めて、画家として31年。日々 坦々と静かに生きてきた。 私のジェットコースターのような生き方とは異なるのに、なぜか気になる。 青野恵子
Fujio Kawagishi
古い植物図鑑や江戸時代の細密画のような草花の絵。川岸さんは、和綴本、掛軸、巻き物など日本的なものだけでなく、切手絵(3cm×3cm)やトランプ絵など、美しくてユーモラスな作品も手がけられます。 季刊銀花(文化出版局刊)78号に、「翠花」という和綴本を10冊掲載されて話題になり、花道家元安達瞳子(とうこ)著「椿しらべ」で挿し絵として41葉の椿の花を描かれました。日本の四季を美しく彩る細密画からは、その圧倒的な線の細さの中に息吹くたおやかな強さを感じさせられます。 川岸富士男の作品は、古い植物図鑑を見ているような、英国のボタニカルアートをも彷彿とさせる作品です。和綴じ本を開くと独自のデザイン感覚で植物を昇華し、その繊細な作風は絶妙な味わいを出しています。 1952 群馬県生まれ 1974 多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業 1977 会社に勤務しながら手描き本「翠花」の制作を開始 1989 季刊「銀花」第78号(文化出版局)に「翠花」10冊が紹介され、初個展 1991 季刊「銀花」第88号に「椿絵八十八種」特集が掲載され、2度目の個展 1992 会社を退社し画集に専念、各地で個展 2003 日本橋三越「安達瞳子の世界の名花・椿物語展」に出展 2015 酒田市美術館にて「川岸富士男の世界展」開催