「鉄は国家なり」と19世紀ドイツのビスマルクが説いた。
そうです。鉄は街も鉄道も機械も東京タワーも造った強くて美しい素材です。
日本の美の原点である茶の湯、その中心の鉄の茶釜。
戦国時代の武将たちが威信をかけて求めた茶釜。
昨年のNHK大河ドラマの中で織田信長が欲しがった茶釜「平蜘蛛」。正式名称「古天明平蜘蛛」は松永久秀が所有して、信長が何度も所望し久秀が断った歴史上 最も有名な茶釜。
茶会を開くとき「釜を掛ける」と言うように、床の間の掛軸と共に大切な茶道具。茶の湯が沸く音を松に例えて「松風、松籟、松声」と日本人の感性と美の言葉の文化まで伝えています。
室町、桃山時代から延々と茶の湯の世界が日本文化を守り続ける中で、釜の産地により天明釜、芦屋釜、京釜の3箇所が有名ですが、今回の5人は金沢、盛岡、高岡、那須とそれぞれの地で次代に残る釜を制作。今も作り続ける鋳物の釜師。
伝統を守りながら新しい感性で造る若き釜師たちの挑戦をご覧いただきたいです。
出展作家
十五代宮崎寒雉|鈴木成朗|坂井直樹|中澤恒夫|三代畠春斎