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松崎融

松崎融 木工展 -喜寿を祝う-

2021年10月8日〜10月17日

Exhibition

展示風景

私の元に魯山人の織部どら鉢が来た。
水指にするので蓋をつけろ!とのこと。少々の緊張と心地良さを感じた。
私は 他の人の作品とのコラボが好きだ。
勝らず劣らずのバランスを持つことで、自分の力が測れるからだ。
今回の展示に、私の造った物達と並べてくれる様です。

松崎融

蓋をあける

染織家・芹沢銈介が松崎融の額を見つけ、自作のガラス絵や型染を入れて一世を風靡してからもう50年が経つ。李朝のようで 根来のようで 古い蔵の中から出て来たような松崎の漆木工は荒々しいのにどこか懐かしく温かい。
その彼は この10月10日 体育の日 喜寿を迎える。みなさまと一緒にお祝いしたいのですが、コロナ禍で自粛することにした。
昨年の秋、魯山人の織部のどら鉢が手に入った。瞬間、松崎融の蓋を付けて水指に……と。
かくして彼はその蓋を作ることになった。
拭漆 朱漆 黒漆の蓋を今までたくさん作ってきた。師・島岡達三、友・辻村史朗、弟・松崎健の水指の蓋も作ってきた。
蓋は「蓋をあける」「火蓋を切る」というように ものごとの始まりに用い 松崎融は 喜寿を期としてさまざまな蓋のついた作品を作りだしている。以前より少し薄い。また 新しい。
彼の創作意欲は 枯れることなく 35年の付き合いを経て 今も私をドキドキさせてくれる。

一穂堂 青野惠子

松崎融

Tohru Matsuzaki

松崎融

略歴
1944年 東京梅が丘に生れる
1967年 玉川大学文学部卒業
1974年 陶芸家・島岡達三の指導を受ける
1982年 国画会初入選
1983年 国画会新人賞受賞 西武百貨店池袋本店にて初個展 
1984年 国画会・会友となる 名古屋名鉄百貨店にて個展 
1987年 国画会・会友優作賞受賞
1988年 国画会・会員に推挙される 栃木県茂木町に仕事場を移す
1992年 阪急百貨店梅田店にて個展 以後毎年開催 有楽町阪急百貨店にて兄弟展
1995年 「コンテンポラリージャパニーズクラフト&ジュエリー展」出品 (ロサンゼルス)
2001年 東京「ダニエル・オスト花の祭典」にて ダニエル・オストの花器を担当
2002年 「ミラノ・サローネ2002」内田繁展参加 (イタリア)
2003年 ニューヨーク・メトロポリタン美術館「Oribe展」に出展
2008年 CHANO-YU Shigeru Uchida & 7artists (一穂堂ニューヨーク)
2009年 一穂堂ニューヨークにて個展(以降2012年、2016年)

その他毎年各地にて個展および兄弟展を開催。

Collection
フィラデルフィア美術館(アメリカ)
ミシガン大学美術館(アメリカ)
デトロイト美術館(アメリカ)
シュレスビッヒ郷土美術館 (ドイツ)
栗の木美術館 (長野)

松崎融について見る