コンテンツへスキップ

西端 良雄

輪島 西端良雄 -木地師の仕事-

2023年7月7日〜7月16日

Exhibition

展示風景

木地師は 日本の伝統工芸の中でも縁の下の力持ち、西端良雄は輪島で木地師の家系に生まれ、 彼の轆轤技術は有名漆芸家達から信頼されてきた。
ある時 輪島塗の分業制に疑問を持ち、1人で全てを完成させる椀を作るようになった。
その頃いただいた彼の椀は もう2回塗り直し 毎日使っている。

西端の技術力を見込んで 小鼓の胴を作ってもらうようお願いした。
室町・桃山・江戸時代の小鼓が良い音を発するのと、小鼓を打つ人口が減った事もあり、 新しく小鼓の胴を作る職人がいないことを 大倉源次郎氏に聞いての事だった。
轆轤技術があっても 小鼓の胴は楽器であり 彼には凄く難しい仕事となった。
試行錯誤し 能楽の大倉源次郎氏、歌舞伎の田中傳左衛門氏 家元両人に指導や助言・協力を得て やっと彼らが認める音の出る小鼓の胴が出来た時 15年の歳月が流れていた。

この度NHK「美の壺スペシャル『和楽器』」に 彼の作る小鼓の胴が取材される事になった。
和楽器は職人の工芸技術と演奏家の鍛錬の芸で美しい音を放つ。
この歴史を辿る事も意味がある。 私も含めて 日本人は日本文化・工芸芸能をじっくり学びたい。 そんな西端良雄 轆轤技術の証明の個展となる。

青野恵子

Yoshio Nishihata

西端 良雄

1958年 石川県輪島市生まれ。
1980年 日本伝統工芸展に初入選。以後入選を重ねる。
分業ではなく、木地から仕上げまで一貫した椀を作る。

西端 良雄について見る