コンテンツへスキップ

辻村 塊

辻村塊 - 邂逅20年記念 百碗展 -

2023年6月23日〜7月2日

Exhibition

展示風景

1996年、品川の新高輪プリンスホテルの一隅にざくろ坂ギャラリー一穂堂をオープンした。
その細長い煉瓦のギャラリーに辻村塊の作品が並んでから20年になる。
東京での初個展ということで行列ができるほど人が来て、大壺も花器も茶碗もぐい呑みも大小食器も驚くほど売れた。
今に至ってもあれほどやきものが売れて包んだことがない。
辻村塊は一穂堂の歴史とレコードを作った。

その彼の個展を銀座では2年に1度催しているが、桜井の山に作品を選びに行く度、 塊の成長が見えて嬉しくなる。
もう 塊くんとは呼べないくらい立派な陶芸家になった。
作陶に対する真摯な態度には頭が下がる。
苦しみながら 楽しみながら 土を捏ね 轆轤を回し 焼成し、父君 辻村史朗の水間の山の陶塚のようになってきた。

今回、辻村塊は最近の自信作の志野、井戸、黒織部、粉引、伊賀など 様々な挑戦の100碗を持ってきた。すごい茶碗が並ぶ。

青野恵子

Kai Tsujimura

辻村 塊

辻村塊は、幼少の頃より父親の近くにいて、手伝いをし、そのまま自然に陶芸の世界に入ったという。辻村史朗という偉大な父の仕事は、彼に仕事の厳しさと創造の面白さ、美への飽くなき挑戦する姿勢を育てたようにも感じます。良いアーティストは自分の作品も他人の作品も良いものを見る目を要求されます。その主体性と客観性が感じられる彼の作品。力強い意志と初々しいけれど決して未熟ではなく、堂々とした形と焼き上りの造形美からは才能の大きさを感じさせます。 2000年、親元を離れ、自分の手で奈良の山里を開き、その山の丸たん棒で家と作業場を作りました。 今も山の木を切って窯だきをしています。穴窯なので、少量ずつ焼く。だからこそ、一窯一窯 変化があり、形と焼き上がりがとても面白い。

1976 奈良県生まれ
1994 父 辻村史朗に師事
2000 奈良県桜井市に築窯、独立
2003 ざくろ坂ギャラリー一穂堂にて初個展
2008 ニューヨーク Ippodoにて個展
2010 アメリカ合衆国ミネソタ州 ミネアポリス美術館に収蔵
2010- 隔年、銀座一穂堂にて個展
東京、大阪、京都にて他個展多数

辻村 塊について見る