村瀬 治兵衛
村瀬治兵衛展 -木の世界-
2023年3月10日〜3月19日
Exhibition
展示風景
水の器
世界中のファッションやアート拠点である New York 〜 London。
どの国々でも木と漆の パワーが伝わることにいつも驚き、木=自然に対する憧れと尊敬の気持ちを伝えてくれました。
現地では美術館巡りに時間を費やしますが、ヨーロッパの伝統的なデザインには、 身体全体で影響を受けます。
また、古代文明から「壺」がかなりの展覧数を占めていて「水」が命の根源であり精神性を 感じました。
水指と言ってしまうと茶道具になりますが「壺」として考えると可能性が 広がるのではないか?
自身の欅の作品が 1000 年後も水を湛える美しい壺として残って いたら......と想像しました。
毎日 力強い木の生命力を相手に轆轤にむかい 木を削り彫刻 漆を塗る。これからも木と漆のもつ潜在能力や可能性を信じ伝えていきたいと考えています。
村瀬 治兵衛
寒かった冬が去り 木々が芽吹き出すこの季節に 銀座一穂堂で三代目村瀬治兵衛展を 催すことになった。
若き日、彫刻家を目指した彼は 今でも創作に向かう時はデッサンから始める。
木が好きで 木の香りに囲まれたアトリエは 秀逸の木地師としての技を持つ彼らしく機械も道具も木材も 整然と片付いていて美しい。
片隅で鍛冶屋のように、鑿(のみ)や鉋(かんな)などの道具までも造る。
初代・二代・三代と村瀬治兵衛を受け継ぐ中で 魯山人、小山富士夫、松永耳庵、 林屋晴三らの文化人と関わり 学び 研鑽して 今に至っている。
村瀬の作品は清潔で優しくて品格がある。その作品はフィラデルフィア美術館、メトロポリタン美術館、ヴィクトリア & アルバート博物館など 一穂堂の海外進出と共に挑戦し 互いに助け合い 前に進む 同志のような存在でもある。
今回はお嬢さん・礼さんの椀も並ぶ。
銀座一穂堂の 3 階サロンと地下・具庵は、彫刻家として 木地師としての 木の香る村瀬治兵衛の世界になる。
青野恵子
Jihei Murase
村瀬 治兵衛
1957年 東京に生まれる
1975年 東京都立芸術高等学校卒業
1980年 東京造形大学彫刻科卒業
裏千家業躰日々庵鈴木宗幹先生に茶道の教えをうける
1991年 京都嵯峨吉兆にて父子展開催
1993年 日本橋三越本店美術部にて父子展開催
以後福岡等,各地 にて開催
2001年 三代目治兵衛を襲名、木地師として七代目を継ぐ
日本橋三越本店美術部襲名展
以後 数年毎に展覧会開催
2009年 妙喜庵・待庵の炉縁製作
2010年 東京国立近代美術館工芸館
「現代工芸への視点 茶事をめぐって」展出品
ロンドン アートフェアコレクト 出品
2015年 東京国立近代美術館工芸館「近代工芸と茶の湯」展出品
2016年 東京国立近代美術館工芸館「近代工芸と茶の湯Ⅱ」展出品
個展(Ippodo Gallery New York)(以降'22)
個展(銀座一穂堂)(以降'19、'23)
2017年 スイスアートバーゼル出品
NYフィラデルフィア美術館日本ギャラリー茶室100周年記念展茶会参加
根津美術館 特別催事「現代茶人の茶席」工芸作家として席主を務める
2019年 イギリス 在英国日本国大使館「NEW LOOK OF TEA」展・JAPAN House講演会
個展(Stuart Lochhead Gallery, London)(以降'22)
2020年 銀座 和光「漆の仕事」展
2021年 国立工芸館石川移転開館記念展Ⅲ 「近代工芸と茶の湯のうつわ―四季のしつらい―」出品