磁土で成形した器に 碧の泥で着彩し焼き締めたシャープな形の磁器。
9年前、西田宣生の作品を「寛土里」で見つけた。
その清潔な表情と美しいフォルムに驚き それからすっかりファンになった。
京都の磁土で素焼きしてから 呉須や泥絵の具を刷毛で描き、それを拭い取り、 を繰り返す。
抽象画のようでもあり 伝統の刷毛目模様のようでもある。
倉敷や京都で焼き物の勉強を重ね、ふるさと高知南国市に工房を構え、 今は高知市へ移った。
西田の焼き物は 流行りのデコラティブな凝り過ぎた手間のかかる作品ではない。
静かで清潔で謙虚な作品は 今では珍しいのか? 数多く受賞している。
さて、彼に個展を約束してから数年待った。
久しぶりの発表となる西田宣生の作品を是非ご覧いただきたい。
青野恵子