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Tohru Matsuzaki

松崎 融

松崎融が作りだす作品

松崎は岐阜の桜井銘木店の最上級の木材を鑿(のみ)、木槌(こづち)、鉋(かんな)で刳り貫き、那珂川の辺りの上質な漆をたっぷり重ねて塗る。
荒々しく粗野な造形は縄文時代に遡るようにも思え、また、若き日 木工への道を決めた根来塗り、李朝を意識した形は松崎の魅力。師を持たず 自ら信じる木工の美を求め続けている。

Tohru Matsuzaki

松崎 融

略歴
1944年 東京梅が丘に生れる
1967年 玉川大学文学部卒業
1974年 陶芸家・島岡達三の指導を受ける
1982年 国画会初入選
1983年 国画会新人賞受賞 西武百貨店池袋本店にて初個展 
1984年 国画会・会友となる 名古屋名鉄百貨店にて個展 
1987年 国画会・会友優作賞受賞
1988年
国画会・会員に推挙される 栃木県茂木町に仕事場を移す
1992年
阪急百貨店梅田店にて個展 以後毎年開催 有楽町阪急百貨店にて兄弟展
1995年
「コンテンポラリージャパニーズクラフト&ジュエリー展」出品 (ロサンゼルス)
2001年
東京「ダニエル・オスト花の祭典」にて ダニエル・オストの花器を担当
2002年
「ミラノ・サローネ2002」内田繁展参加 (イタリア)
2003年
ニューヨーク・メトロポリタン美術館「Oribe展」に出展
2008年
CHANO-YU Shigeru Uchida & 7artists (一穂堂ニューヨーク)
2009年
一穂堂ニューヨークにて個展(以降2012年、2016年)
その他毎年各地にて個展および兄弟展を開催。

私の仕事

漆はJAPANと言われ日本の誇る工芸の一つである。35年前、師も持たず私は木漆工芸の世界に足を踏み入れた。その頃の漆の業界は表面的な美しさを求め過ぎたばかりに、技術を誇るような器を作り、機能性や現代性を失い仕事は細かく分業化されていた。私は原点にもどるべく"一木をくりぬき形を造り漆を塗る。“漆の強さを前面に出すために漆を塗り重ね技術をシンプルにすることで私自身の想いと個性を出してきた。朱は赤口を使い、生漆を何回も重ね塗りをして黒を作った。私の仕事は木と漆を通して自分の世界を創り上げること。特にその美しさを造る時、どこで終わりにするのかが最も重要な瞬間である。彫って形を造って 塗る、最も楽しい瞬間でもある。
私がもの作りとなった背景には日本画家であった父と、3人の心の師がいる。玉川大学創立者の小原國芳先生、洋画家の牛島憲之先生、そして陶芸家の島岡達三先生である。「目標を強く強く念じ願うことにより道が開くこと。静かな表現の中で色を重ねることの強さ。器の大きさ、工芸の奥深さ。」"大道無門"この3人から学び、今の私があると思っている。
「松崎融 漆」より抜粋

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