大正14年(1925年)、パリ万博で飯塚琅玕斎をはじめ日本の竹工芸が大きな話題となった。
竹は亜熱帯のアジアに生息し、パリ万博に集う人々には なんとも異国情緒があったのだろう。
それから現代に至り、国内外の美術館で展覧会が催され 人気を博している。
その企画には、世界屈指の竹籠コレクター・斎藤正光氏が関わっている。
斎藤正光氏は竹籠に初めて出逢った時、工芸的な技のある まさにコンテンポラリーアートと感じ それからコレクションを始めて40年。
古今の美しい竹籠は彼のもとへ吸い寄せられるように集って まるでブラックホールのようである。
その彼のコレクションの中から50点、一穂堂にやって来る。
今回は過去の名作(物故作家)が3階に 奇才の現代作家・植松竹邑(ちくゆう)の作品がB1階に展示される。
ミネアポリス美術館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館、ケ・ブランリー美術館(パリ)などに彼の作品が収蔵されている。
アーティスト 植松の作品が一堂に集まることは極めて珍しく、3階とB1階、両空間の竹籠を堪能していただきたい。
青野恵子