松原賢氏の大作がミネアポリス美術館で展示されました。
2023年9月2日から2024年3月10日まで、アメリカのミネアポリス美術館にて
「松原賢 展覧会『Chaos: Ken Matsubara’s Buddhist Masterwork』」が開催されました。
600年の時を隔てた2つの絵画、14世紀の「當麻曼荼羅」と、20世紀の松原賢による「カオス」。年代的には離れているが、この2つの作品は仏教の糸でつながっている。
シンギングボウルの響きを伴ったこのインスタレーションでは、観客は松原の描く人間の葛藤と、當麻曼荼羅の無垢な浄土をつなぐ架け橋となる。座って、静止して、芸術とともにあることに集中する。
松原賢は1948年富山県生まれ。親戚の寺で育った彼は、寺のあちこちに飾られた伝統的な仏教美術を鑑賞し、模写した。20代後半には、西洋抽象画で有名な日本画家、井上三綱に弟子入りした。「Chaos (カオス)」(1983年)は、統合と出発の瞬間であった。彼は仏教の概念に関する知識と師の抽象表現を融合させ、新たな表現形式、空間と音の彼独自の抽象表現を生み出したのである。