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浅井 竜介

浅井竜介 文人の言葉と共に…

2023年9月22日〜10月1日

Exhibition

展示風景

「捨てし身をいかにと問はばひさかたの雨ふらば降れ風ふかば吹け」良寛
決して世捨て人になった訳でも、出家した訳でもありませんが、この年になってボクが思う心境はまさにこの歌のごとく、雨が降るならそれもよし、風が吹くならそれもよし。 流れに逆らわず、すべてを受け入れ、ただひたすらに、ということ。

ボクの創作の源は「言葉」の世界。
目を通して、耳を通して心の中に積み重ねられた言葉たちが、その陰影となって、 いつしか形作られていくのです。

「風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり」西行。
散りゆく花びらの行方を追うことはしません。
ただその儚き姿がボクの心となり、身となっていると信じて。

浅井竜介

浅井竜介の茶碗は楽しい。
彼の父君はあのビートルズ公式カメラマン・浅井慎平。
青年期に英国で教育され 工芸 文学 音楽 スポーツ…… 身体中に豊かで稀な体験と思考が充満している。
その彼はインテリアデザイナー内田繁にデザインセンスを、 鯉江良二に陶芸のおもしろさを学んだのだろう。
浅井竜介の書も陶芸もどこか不思議な魅力がある。

今回 彼が心に残る文人の一行の言葉を パネルと掛け軸にした。
それぞれの茶碗の銘は彼の思考そのもの。
5年ぶりの個展、彼の進化を見てほしい。

青野恵子

Ryusuke Asai

浅井 竜介

1966年名古屋市生まれ。1967年に東京へ転居。
英国ダーティントン・ホール・スクールを経て、早稲田大学へ入学。近代工芸史を学ぶ。
卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ大学院で陶芸の理論、実技を修める。
帰国後、陶芸家、鯉江良二氏の知遇を得る。
クラシカルでありながらモダニズムを融合させる独自の作風と造形が注目され、特に茶陶の分野において高い評価を得ている。
全国各地の画廊にて展覧会を多数開催。常に革新的な作品を発表し続けている。
また、町田短編映画祭実行委員長など、芸術文化振興にも多数携わっている。
近年は、学校法人正和学園理事、及び当法人運営の幼稚園にて芸術指導アドバイザー、 兼講師を務め、幼児教育にも力を注いでいる。
一方、音楽プロデューサーや作曲家、ミュージシャンとしても幅広く活動するマルチアーティストである。
翻訳に「ラベンダーの咲く庭で」。
祖父は陶芸家、矢野陶々。父は写真家、浅井慎平。

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