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海田 曲巷

海田曲巷 - 巷の茶杓 -

2024年10月6日〜10月15日

Exhibition

展示風景

僕は今年 喜寿 七十七歳になる。昔ならおじいさんである。
年をとったから遊ばなくなるのではなく、遊ばなくなったから年をとるのである。
皆んなで遊ぼうではないか。

茶の湯の文化では 愛でる道具に 茶入、茶盌、花入、 そして茶杓に名前をつける。
外国でスプーンに銘をつけるという話はきいたことがない。
1本の竹ベラが その日のオーケストラのコンダクターの指揮棒の役を演じる。

銀座一穂堂の劇場での音楽会を聴きに来てください。
当日の茶杓の銘は「千古の風」です。
10月7日、10月8日は この爺が釜をかけます。

曲巷 拝

巷の茶杓

いつの間にか お互いに年老いたようにも思えますが、初めて会った時、 曲巷 という名前の意味を聞きました。
海田先生は 学校の教師が生徒に教えるように 「巷 ―― 社会で 色々な事をするんだよ。遊ぶことも 学ぶことも……」と。
私には 巷 と言う言葉が大人っぽくて 別世界のように感じたものでした。

確かに 海田先生は 巷で学んだ引き出しがいっぱいあって 1本の竹片を見ては さまざまな表情を感じて 美しい茶杓に作り上げ 知的な銘やユーモラスな ネーミングを覆わせます。
時に漢詩、時に西洋のポエムまで飛び出してきます。
その上にみごとな古裂の仕服です。
海田先生の巷は 貴い 深い 茶の湯の世界だったのでしょう!

最近 白いお髭の熊谷守一のようで もうおじいさんですよ。
久しぶりの個展、楽しみにしています。

青野恵子

Kyokko Kaida

海田 曲巷

1946年 福岡県久留米市に生まれる
1960年 この頃より茶道に親しむ
1969年 早稲田大学在学中、日豪交換学生としてオーストラリアにて茶会を開催
1980年 独学で茶杓を削り始める
1992年 東京・青山にて第1回茶杓展
1995年 東京・畠山記念館にて茶杓展
1996年 東京、名古屋、大阪にて茶杓展
1997年 熱海市MOA美術館における「光琳乾山忌茶会」で、茶杓 銘「素心」が使われる
1997年 伊香保・竹久夢二記念館にて茶杓展
1999年 豪葵限定本、海田曲巷「茶杓三十運」(求龍堂)を発刊
2001年 山形、東京・青山にて茶杓展
2002年 山形・山寺にて「BASARA茶会」参加
2003年 仙台にて茶杓展 芝浄運院にて茶会
2004年 東京にて茶龍展 五島美術館にて茶会
2005年 山形・春雨庵にて茶会 グリーンアカデミーにて茶杓の講演
2006年 松江、仙台、東京にて茶杓展
2006年 熱海蓬莱にて華甲の茶会
2007年 渋谷・東急本店、池袋・東武百貨店、新潟・伊勢丹にて茶杓展、東京・青山にて茶龍展
2008年 ニューヨーク・茶の湯展に出品 渋谷・東急本店にて茶杓展
2009年 アートフェア東京にて茶室と茶杓発表
2010年 岡山・後楽園にて茶会、フランス・ロワールにて茶会、山形・出羽桜美術館にて茶会
2011年 高松にて茶会・茶杓展
2013年 池袋・東武百貨店にて茶杓展、青山にて茶籠展、津にて川喜田半泥子追善「慶世羅世羅茶会」
2015年 東京にて版画展、池袋にて茶杓と段ボール茶室発表
2017年 東京にて「井蛙茶会」、津にて「ひぐらし茶会」、銀座にて茶杓展
2018年 山口・周南にて茶会、池袋・東武百貨店にて茶杓展
2019年 東京にて「花逢瀬の茶会」、銀座・三越にて茶杓展
2020年 東京にて五次元の茶杓展
2021年 小田原にて茶杓展
2022年 日本橋三越本店にて茶杓展
2023年 東京にて「雀のお宿茶会」、青山にて茶杓展

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