宮廻正明
宮廻正明 「野に生」展
2024年11月1日(金)〜11月10日(日)
日本画家・宮廻正明は、1951年に島根県に生まれ、東京藝術大学美術学部デザイン学科を卒業、大学院文化財保全修復技術(日本画)修了、東京藝術大学で教鞭を執り、院展等で受賞を重ねてきました。
彼は自然や人の営み等を独特の視点で見つめ、裏彩色(画面の裏から彩色する)という古典技法で描いてきました。「日本の漢字辞典で<'うら'裏>と引くと<心>が出てきます。精神性を伝えるのに裏から染みだすように奥行きの効果で描くのは日本文化の特徴です。」宮廻は、この裏彩色という平安時代にはじまる伝統的な日本画技法をさらに発展させています。幾重にも重ねられた層の内で、裏から滲み出してくる色と、面から染み込んでゆく色とが相互に滲み合い、過去と今とが綯い交ぜになっていく。宮廻の点と線と色とは、「螺旋」のように、深く、高く、終わることのない道のりともいえます。今回の一穂堂では、花を描くことから始めた宮廻正明が原点に戻り、花の作品が並びます。